約束のネバーランドのエマは主人公で、主人公は明るくて誰からも愛されるのがお決まりです。
エマも明るい、前向き、愛されキャラと全て揃っているのですが、それでも目を見張るすごさや言葉の力があります。
そんなエマが放つ言霊は世界を救う力もあり、インパクト大です。
目次
【考えろ。いくつもの策を】
ゴールディ・ポンドの狩場で最強の鬼、レウウイスに立ち向かう時の事です。
身体能力が鬼よりも弱い人間は、頭脳で作戦を立てなければ鬼に勝てません。
エマは格が違う強さを見せるレウウイスを前に、恐れて身を引くのではなく策を考えろと前向きです。
エマは「敵がどんなに強くて私達がちっぽけでも、何度踏みつけられて奪われても立ち上がる!」との台詞もあります。
また、「できない、どうしようよりも、できる、どうやろう」と考える方が良いとも言っています。
レウウイスを前にしても、できないなんて辞書はエマにありません。
エマはどんなに不利な状況でも策を考えるから、世界が変わるんです。
私も、しょうがないで終わりにしないで、策を考えると胸に留めておきたいです。
【私はまだ、望む未来を叶えていない】
普段はニコニコ顔のエマが踏んばっている時の思いです。
敵に攻撃され、普通ならこのまま死んでもおかしくない状況でも、エマは諦めません。
仲間と安全な暮らしをするという望む未来を手に入れていないからです。
死ぬかどうかの瀬戸際では、強く念じる力が生きる力になります。
エマはこれしきの事で諦めないと強い信念があるからこそ、最後に望む未来を手に入れる事ができました。
【鬼と私たち、何が違うんだろう】
人間も鬼も、生きるために肉を食べるのは一緒です。
ただ食べているだけなのに、鬼を根絶やしにしても良いのかなとエマは迷います。
エマからしたら鬼は敵で、家族が安心して暮らすために鬼を殺す必要があるのですが…。
それでもエマは迷っているからこそ、闘いの本質ってなんだろうと読者に語りかけているような気がします。
人が人を差別する、戦争になるなど、人間も嫌いな感情から争いになる事はあります。
あの子と私、何が違うんだろう?と、私も立ち止まる瞬間でした。
また、エマは何が違うんだろうと考えたからこそ、鬼も人間も救う道を見つけました。
「何が違うんだろう」は、きれい事ですが、世界が変わった瞬間だと思います。
【正しいって…何?】
小さなコマなんですが、エマのこの言葉に私はハッとさせられました。
亡くなったと思っていたノーマンと再会して喜んだのもつかの間、鬼を絶滅させたいノーマンとエマの考えが少し違う時の事でした。
ノーマンの考えが正しいとなった時に、エマは正しいって何?と問いかけました。
ノーマンの考えの方が、食用児が食べられない未来が確実だから正しいのか。
絶滅させた方が効率が良いから正しいのか…。
エマは敵だからと何も知らない子供達も根絶やしにするのが正しいとは限らないと言います。
そうなんですよね。
何を基準に正しい判断とするかは、考え方によります。
仕事でもプライベートでも、正しいってよく使うけど何だろうと思い返しました。
また、ノーマンが言うように鬼を根絶やしにするのが食用児の安全な未来に確実です。
それでもエマの言葉で世界が変わったのが感動でした。
【守ってくれなくていい!私はノーマンの隣を歩きたい!】
ノーマンが鬼の女王を殺害し、鬼の世界は混乱期に突入しました。
エマは約束を結び、もう鬼と人間が争わなくても良いとなっても、ここまで来たらもう遅いとノーマンは言います。
エマはノーマンが一人で全てを抱え込もうとしているのを感じ、ノーマンが背負う悲しみや大変さを分け合おうと言います。
GFを脱走する時に、エマが鬼が外の世界にいる事を内緒にして全てを抱え込もうとしていたのを、私は思い出しました。
また、ママの目を脱走からそらすために、レイが自ら命を絶とうとしていた時もありました。
全てを抱え込もうとした過去があるからこそ、ノーマンに悲しみや大変さを分け合おうと言えるんですよね。
エマはノーマンよりもスコアが下ですし、理解力もありません。
だけど守ってもらうのではなく、横を歩きたいとノーマンに強く説得しています。
エマも年少の仲間に助けてもらって、ここまできたからです。
年少の仲間が鬼の世界の食べ物に詳しくなって食料調達ができるようになる。
ギルダが地図を暗記してなんでも聞けるぐらいになる。
自分よりも戦闘では弱い仲間が、横で頑張ってくれたからノーマンに会えました。
だから仲間だからこそ守ってもらうのではなく、横に並んで歩きたいんですよね。
エマのこれまでの人生が分かり、深い言葉だなと思いました。
エマの言葉は、はっきり言えばきれい事です。
実行するのが難しい、効率が悪い、もっと簡単な方法はあると思います。
でも、きれい事が最終的に世界を救っています。
目標を高く持てとよく言いますが、こういう事なんだなと思いました。